千と千尋の神隠し

表題作をレイトショーで観た。

現在東宝系映画館ではジブリ4作品のリバイバル(再上映)を行なっている。ありがたい。

本作はあまりに有名なジブリ作品だが、スクリーンでノーカットの映像を観るのは初めて、という人も多いのでは?私ももちろんその1人だ。

 

とにかく心に残ったのは「千尋、可愛くなっ」という点だ。

外面的な話である。

まずシンプルに顔の造形が整っていない。1番最後のトンネルの前で佇むシーンは、千尋の鼻の下の長さに「水木しげる作品の人間かよ」と思った。

そしておにぎり食べながら大口開けて泣くシーンでは口の中の食べかけのおにぎり見えてるし、空から落ちながら泣くシーンでは目から変な汁が上に流れていくし、足はちゃんと食べてるのか心配になる程細く少女的な魅力とは程遠い。

極めつけは序盤の千尋が驚くシーン。

見開いた千尋の右目は二重で、左目は一重まぶた(のはず)なのだ。

基本的に顔面は左右対象であるほど美しいとする風潮が残っている現代で、そこまでして映画の主人公を可愛くなく描く理由はなんなのだろう。

例えば、

千尋をアニメ的な普通の(判を押したような)少女として描くことを良しとせず、荻野千尋という1人の人間として描くために、包み隠さず描いたというのは理由として考えられるだろう。

あるいはシンプルに、スタジオジブリの偏執的な少女像へのこだわりという線もあり得るだろう。

僕には分からない。

でも一つだけ言えることは、大画面で観られたからこそ、キャラクターの表情にまで気がつくことができたということだ。あと千尋が自分の名字を間違えて覚えていることにも気づけた。

この期間のジブリ4作品は、他の作品より安い値段で観ることができる。

これを機に、懐かしの映画を観に映画館に足を運んでみてはどうだろう。

時勢柄、左右の座席は空けてあるので、気兼ねなく肘掛けを使うこともできるぞ。